「酵素ドリンクって本当に効果あるの?」 「ファスティングとセットで飲む意味は?」 「“意味ない”って聞いたけど、正直どっちが正しいのか知りたい」
ファスティングを検討している方の多くが、まずこの疑問にぶつかります。 SNSや広告では酵素ドリンクが当然のように推奨されますが、一方でネット上には 「酵素ドリンクは意味ない」 という情報も増えています。
この記事では、栄養士(国家資格)として食と代謝に関わってきた立場から、 酵素ドリンクはファスティングに本当に必要なのか? を科学的・中立的に整理します。
なぜ「酵素ドリンク 意味ない」と言われるのか?
まず、ユーザーの疑問や違和感に正面から向き合ったうえで解説します。
- 甘いけど、これ糖分じゃないの?
- カロリー摂ってしまって断食にならないのでは?
- “酵素を飲む”のは体にとって本当に意味があるの?
これらは完全に正当な疑問です。実際、多くの専門家も同じ視点から「酵素ドリンクは断食を妨げる可能性がある」と指摘しています。

酵素ドリンクが“意味ない”と言われる主な理由
1. 糖質量が高く、血糖値を大きく動かす製品が多い
一般的な酵素ドリンクは、製品によっては 100mlあたり20〜40gの糖質(角砂糖5〜10個分) を含むことがあります。
ファスティングの目的は、
- 血糖値を安定させる
- インスリン感受性を改善する
- 代謝をリセットする
といった点にありますが、糖分の多い飲料は空腹時に 血糖値を急上昇 → 急降下 させるため、目的に逆行しやすいのです。
2. 経口摂取した酵素は体内でそのまま働かない
酵素ドリンクは 「体内酵素を補う」 と宣伝されますが、摂取した酵素は胃酸で分解され、酵素として働くことはありません。
これは生化学で明らかになっている事実であり、 “酵素をそのまま体に取り入れる” という考え方は科学的には成立しません。
3. 酵素ドリンクでファスティング効果が高まるという科学的根拠がない
酵素ドリンクによって断食効果が向上したとする 公的な研究データは現時点で存在しません。
そのため、専門家の多くは 「酵素ドリンク=必須」 という考えには懐疑的です。
それでも酵素ドリンクが日本で広まった理由
● 巧妙なマーケティング
「酵素不足」「飲むだけで代謝アップ」という言葉は、人の心理に強く刺さります。 科学より“感覚的に分かりやすい言葉”が優先された結果、浸透しました。
● 発酵文化と「飲んで整える」信仰
日本人は発酵食品・健康ドリンク文化に馴染みが深く、 「摂取することで健康になる」という考え方が受け入れやすいのです。
● メディアが体験談を優先しがち
SNSは科学より「良かったという感想」が拡散されやすい場所。 その結果、肯定的な意見だけが目立つ構造があります。

欧米では酵素ドリンクがほぼ存在しない理由
対照的に、欧米の医師・栄養学者・研究者は “断食中に摂る飲み物” を以下のように明確に限定しています。
- 水
- 無糖コーヒー
- 無糖のお茶・ハーブティー
- ボーンブロス
糖分のある飲料はファスティングの効果を妨げるものとして避けられています。 酵素ドリンク文化がないのは必然と言えるでしょう。
では酵素ドリンクは完全に意味がないのか?
ここは誤解してほしくない重要ポイントです。
酵素ドリンクが“心理的サポート”として役立つケースはあります。
- 空腹が不安で何か摂りたい人
- 水やお茶だけだと続かない人
- 断食の入門としてハードルを下げたい人
ただし、ファスティングを科学的に行いたい人には 「糖質量の少ない飲み物」 を選ぶほうが望ましいのも事実です。
酵素ドリンクの代わりに選ぶべき飲み物
- 水・白湯(最も安全)
- 無糖のお茶
- ブラックコーヒー
- ボーンブロス(低脂質・低糖質)
特にボーンブロスは欧米で “ファスティングフレンドリー” とされており、消化が軽く、アミノ酸・ミネラル補給に役立つ飲み物です。

まとめ|酵素ドリンクは「目的次第」で必要かどうかが変わる
酵素ドリンクは 「絶対に意味ない」 というわけではありません。
ただし、ファスティングの本来の目的である 血糖値の安定・インスリン感受性の改善・代謝リセット を重視するなら、糖質量の多い酵素ドリンクは慎重に扱うべきです。
フレンチの技法で磨き上げたボーンブロススープBONEZ(ボーンズ)は、脂質ゼロ、糖質ゼロのため安心してお飲みいただけます。
最も大切なのは、 “自分がどんな目的でファスティングを行うのか” を明確にしたうえで、必要な飲み物を選ぶことです。
酵素ドリンクの血糖値について詳しく知りたい方はこちらも参考に:
なぜ人々は空腹時に血糖値を上げてしまう酵素ドリンクを飲むのか

