森永製菓さんはお台場に森永inトレーニングラボというトップアスリートのコンディションをあらゆる方面から支えるための施設をかまえ、アスリートへの支援を38年前から行っており、フィギュアスケートの浅田真央さんや、テニスの錦織圭さん、スキージャンプの高梨沙羅さんなど、日本を代表するアスリートへの栄養に関するサポートなども行ってきました。

美味しさと栄養の両立


森永製菓のマーケティング本部 健康マーケティング部 inトレーニングラボの井上毅彦マネジャーは、「栄養をしっかり管理した食事の場合、どうしても味気なくなってしまう。それがストレスになっている人も少なくなかった」と語ります。

井上氏によれば、アスリートや健康意識の高い人々にとって、日々の食事管理は重要なコンディショニングの一環である一方、「美味しさ」を犠牲にせざるを得ない場面も多く、食事そのものが義務的なもの、あるいは負担に感じられてしまうこともあると言います。

「本来、食べることは人間にとって喜びであるはずなのに、それが“我慢”や“制限”と結びついてしまうのはとても残念なこと。だからこそ、栄養価を保ちつつも、心から『美味しい』と思えるものを届けることに大きな価値がある」と、井上氏は続けます。

CITABRIAと森永製菓の出会い

そんな中、井上氏はCITABRIAという存在を知ることになります。
「“食に並々ならぬこだわりを持つ会社がある”と紹介されたのがきっかけでした。ミシュラン三つ星のレストランを運営しているだけでなく、コロナ禍には医療従事者の方々に無償でお弁当を届けていたと聞き、飲食という枠を超えて人のために行動している姿勢に深く驚かされました。これはぜひ一度お話を聞いていただきたいと、すぐにCITABRIA代表の石田聡さんを訪ねたのです。」と、当時を振り返ります。

一方、CITABRIAにとってもコロナ禍は、自分たちの存在意義を問い直す時間でした。
「日々の食事を通じて、人の心と体にどのような価値を届けられるのか。そのことを改めて見つめ直していた時期でした」と石田は振り返ります。
「美味しさと栄養、その両方を妥協せずに追求することで、それがアスリートの方々にも認められるものであれば、きっと多くの人に感動と安心を届けられるはずだと感じたんです。」

アスリートの切実な思いと、CITABRIAが大切にしてきた理念は、静かに、そして力強く共鳴し合いました。
この出会いこそが、ONKIT開発の原点となったのです。

妥協のないこだわり

ONKITの開発シェフを務めた白石司は、当時をこう振り返ります。

「栄養と美味しさ、その両立は本当に難しかったです。何度も試作を重ねましたが、なかなか納得のいく味に仕上がらず、試食したオーナーからも首を縦に振ってもらえない日々が続きました。それでも妥協せずに作り続けた結果、ようやく“美味しい”と心から思えるものができました。今では自信を持ってお届けできる商品になったと思います。」

また、CITABRIA FOODLABの村田晃洋ゼネラルマネジャーは、保存方法の選定についてこう語ります。

「チルド(0〜数℃での保存)にも魅力はありますが、保存期間の短さや輸送上の制約が大きな課題でした。その点、冷凍は長期保存が可能で、提供できるメニューの幅も広がり、加熱後の味の再現性も高い。結果として、品質を保ったまま多くの方に届けられる手段として、冷凍を選択したことは大きな強みになっています。」