料理に欠かせない「スープの基盤」。中でも最近注目を集めるボーンブロススープ、そして伝統的に使われてきたコンソメやブイヨン。名前は聞いたことがあっても、実際にどう違うのか混同しやすい部分でもあります。
この記事では、それぞれの定義・調理法・栄養面の違いを整理し、料理や健康習慣での使い分けを分かりやすく解説します。
---1. ボーンブロススープとは
ボーンブロススープは、牛・鶏・豚・魚などの骨を長時間じっくり煮込んで栄養を引き出したスープです。
- 調理時間:12〜48時間以上
- 特徴:骨や軟骨からコラーゲン・アミノ酸・ミネラルが溶け出す
- 味わい:旨味はあるが塩分や調味料をほとんど加えない素朴な味
- 健康的メリット:腸活、美容、ファスティングやダイエットのサポート
栄養を重視し、日常の「飲むスープ」として利用されることが多いのが特徴です。
---2. コンソメとは
「コンソメ」はフランス発祥の澄んだスープ料理。ブイヨンをベースに、肉や野菜、卵白で丁寧に「クラリフィエ(澄ませる作業)」を行って仕上げます。
- 調理時間:数時間程度
- 特徴:透明で上品な見た目、旨味が凝縮された味
- 味わい:塩や香味野菜で味付けされ、そのまま料理として提供される
- 用途:フレンチの前菜スープ、仕上げ料理の一品
「料理として完成されたスープ」であり、栄養補給よりも味わいと美しさが重視されます。

3. ブイヨンとは
「ブイヨン」はフランス語で「煮出したもの」を意味し、肉・骨・野菜を煮込んで取っただし汁です。
- 調理時間:数時間程度
- 特徴:濃厚な旨味を持つ下味用スープ
- 味わい:そのまま飲むこともできるが、主にソースやスープのベースとして利用
- 用途:コンソメ、シチュー、ソース類の基礎
いわば「西洋のだし」であり、日本の昆布出汁やかつお出汁に近い役割を持ちます。

4. 三者の違いを整理
項目 | ボーンブロススープ | コンソメ | ブイヨン |
---|---|---|---|
起源 | 世界各地(薬膳・養生食) | フランス料理 | フランス料理 |
主材料 | 骨(牛・鶏・豚・魚) | ブイヨン+肉・野菜+卵白 | 肉・骨・野菜 |
調理時間 | 12〜48時間 | 数時間 | 数時間 |
特徴 | 栄養重視・無添加 | 透明感と旨味・完成品 | 料理のベース |
主な栄養 | コラーゲン・アミノ酸・ミネラル | 旨味成分(グルタミン酸・核酸) | 旨味成分 |
用途 | 健康習慣・ファスティング | 前菜スープ・フレンチ | ソースやスープの基礎 |
5. どう使い分ける?
-
健康や美容目的ならボーンブロススープ
→ 栄養を補いたい、ファスティングに取り入れたい、腸活をしたい場合に最適。 -
料理として楽しむならコンソメ
→ 高級感のある食卓やレストランの一皿に。 -
調理のベースに使うならブイヨン
→ シチューやソース、スープ料理の土台に。
まとめ
ボーンブロススープ、コンソメ、ブイヨンはすべて「骨や肉を煮出す」という共通点を持ちながら、目的と役割が異なるスープです。
- ボーンブロス=健康・栄養補給のスープ
- コンソメ=完成された料理スープ
- ブイヨン=料理のベースとなるだし
それぞれの特性を理解して使い分けることで、料理も健康習慣も一層豊かになります。
ボーンブロスが持つ独自の歴史や文化的背景については、こちらの記事で詳しく解説しています。